探訪記

京都に行ってきた。

大学時代に友人と4年連続で訪れた場所だが、真面目に聖地巡礼したことはないし、いっぺん一人で行ってみるのも面白そうだなといつからか考えていた。

いつもは夏休みに行っていたから、今回は紅葉真っ盛りとまではいかないまでも秋にしてみようと思い、10月下旬~11月上旬の京都一人旅を決意したのが今年の夏頃。

そんな矢先に事件が発生し、11/3・4に予定されていた京都アニメーションのイベント「私たちは、いま!!」が、追悼の式に変更されることになった。

そこで、式に出席するべく11/1~4の4日間で京都に行くことを決定した。

そんなこんなで10/31の夜、仕事が終わって一旦帰宅してから夜行バスに乗り込み、いざ京都へ。

 

11/1の朝5:30頃に京都駅に到着。

京都の地に足を踏み入れた感動を一瞬だけ味わい、すぐに京阪電車に乗り込む。

というのも、1日目は宇治エリアを1日で巡礼し終える予定であった。

まずは『響け!ユーフォニアム』で北宇治高校の最寄り駅とされている六地蔵駅で下車。

ちょうど夜が明ける頃だったので、到着と同時に巡礼開始。

この日から京阪電車の一部の駅などで同作の等身大パネルの展示が開始されたので、それも回収。

続いて1日目のメインである宇治駅で下車。

人が少ないうちに行きたい場所を優先的に巡礼するべく、いきなり大吉山登山からのスタートとなった。

先週あたりから全国的にかなり冷え込んできたというのに、半袖1枚で軽く汗をかきながら早朝登山をするオタクになること約15分、登頂に成功。

厳密には展望台までしか登ってないけど、オタク的には頂なので。

下山後、宇治川のほとりを散策しつつ、久美子ベンチの周辺を巡礼。

ちょうど小腹が空いてきたこともあり、『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』で久美子と秀一がキスしそうになった「喜撰茶屋」、久美子の自宅マンションの目の前にある「一休堂」、久美子と麗奈が初めて一緒に下校したときに「黄前さんらしいね」という名シーンが生まれた「通圓」の3か所で抹茶ソフトを食べた。

そこから本数の少ないバスで太陽が丘に向かい、プール、陸上競技場、文化センターを巡礼。

バスで宇治駅に戻ってから、徒歩で水管橋へ。

時刻も昼過ぎになってなっていたため、同じく聖地巡礼に来るオタクが数名いたが、譲り合いという名の牽制をしながらサクッと写真を撮って離脱。

ここで1日目最大の問題に直面する。

次の目的地が北宇治高校のモデルとなった莵道高校なのだが、水管橋から徒歩で20分、電車で1駅乗ると25分、バスは1時間に1本しか出ていないため30分以上かかるという状況。

聖地巡礼の最大の敵であるところの日没との闘いが頭をよぎり、運動不足の体に鞭を打って徒歩による登校を選択。

大吉山とほとんど変わらない100m強という標高にも苦しめられ、疲労困憊になりながら高校および通学路を巡礼。

最後に黄檗駅木幡駅に寄り道して宇治エリアは終了。

日没まで1時間を切ったところで藤森駅に到着し、『たまこまーけっと』のうさぎ山高校のモデルとなった聖母女学院高校および通学路を巡礼。

ここでちょうど日没を迎えたため、本来であれば夕食を済ませて宿に向かうところなのだが、ここである考えが浮かぶ。

「『いなり、こんこん、恋いろは。』の聖地である伏見稲荷大社なら夜でもライトアップされているからいい感じに写真が撮れるのではないか?」

この読みは半分あたり半分はずれ。

ライトアップのおかげで写真が撮れる場所もあれば、まったく光量が足りない場所もあるという感じだった。

何よりも、伏見稲荷大社の参道の店がほとんど閉まっていたことが衝撃だった。

観光地の夜は早い。

というわけで、宇治の名物グルメになりつつある宇治茶漬けを堪能し、京都駅へ帰還。

ここで再びあの考えが浮かぶ。

「『響け!ユーフォニアム』2期第7話の聖地である京都駅の大階段なら夜でもライトアップされているからいい感じに写真が撮れるのではないか?」

この読みは概ねあたり。

若干の暗さは否めないが、十分にアニメ本編と比較できる写真を撮ることができた。

そんなこんなで22時頃にようやく三条のビジネスホテルにチェックイン。

ほぼ地域最安値の安宿だったが、満身創痍の俺にとってはオアシスのように感じられた。

 

2日目、日の出とともに巡礼を開始すべく5時半に起床・出発。

まずは蹴上駅に降り立ち、昼間はインスタ映えを求める若者で溢れそうな南禅寺や蹴上インクラインなどを早々と巡礼。

続いて、駅ナカの「志津屋」で購入した好物のカルネを食べながら鴨川沿いを少し散歩し、2日目のメインである鴨川デルタに到着。

さすがにこの辺りは朝からある程度人が集っている。

写真を撮り終えたら、『たまこまーけっと』の舞台であるうさぎ山商店街のモデルとなった出町桝形商店街を巡礼。

鯖のモニュメントの真下に店を構える「マツヤ食料品店」で阿闍梨餅を購入。

さらに、「たまや」のモデルとなった「出町ふたば」で豆大福(豆餅)を購入。

ここで鴨川デルタに戻り、『放課後さいころ倶楽部』で美姫が座っていたベンチでこれらを食すという聖地ちゃんぽんに興じた。

このあとは北野天満宮金閣寺、今宮神社と珍しく寺社仏閣を巡りながら、抹茶ソフト、抹茶、黒ごまソフト、あぶり餅と順調に食べ歩き。

そして、『けいおん!』で唯の自宅周辺のモデルとなった松ヶ崎へ移動したが、この日はバス移動でミスを重ねたことにより、早くも日没との闘いを強いられることになる。

結局、桜が丘高校の最寄り駅とされている修学院駅から高野川沿いを巡礼して終了。

するとラーメン激戦区として知られる一乗寺駅に到着することになり、流れるように「ラーメン二郎 京都店」に開店凸。

ラーメン自体もかなり美味かったが、何と言っても大量の九条ネギが良い味を出していた。

最高の気分で三条に帰還したところで、またしてもあの考えが浮かぶ。

「四条はアーケード商店街だから夜でもいい感じに写真が撮れるのではないか?」

この読みは大当たり。『けいおん!』でギー太を購入した楽器店のモデルとなった「JEUGIA三条本店」や、『放課後さいころ倶楽部』のOPに登場する錦天満宮などを巡礼することができた。

最後に『たまこまーけっと』のうさ湯のモデルとなった「錦湯」で1日の疲れを癒し、商店街で風呂上がりの抹茶オレと抹茶ソフトを堪能。

先斗町と夜の鴨川を味わいながら、22時頃に帰宿。

 

3日目、日の出とともに巡礼を開始すべく5時半に起床・出発。

夜明け前に、今回の旅行における伏見稲荷大社の最高到達点である熊鷹社まで登り、下山しながら巡礼開始。

さすがに日本一の観光スポットだけあって、特に千本鳥居の周辺は早朝でも観光客の姿をちらほら見かけた。

その後、祇園周辺を巡礼し、電車で1時間かけて3日目のメインである甲陽園駅に到着。

まずは『涼宮ハルヒの憂鬱』で北高のモデルとなった西宮北高校に向けて強制ハイキングコースを歩いてみる。

駅と高校のほぼ中間地点に位置するこしきいわ銀水橋までは、一応市街地なので坂道もそこまで急ではないし、景色も変わるのであっという間に到着することができた。

しかし、そこから地形が一変し、ハイキングというよりもはや登山の様相を呈してくる。

それもそのはず、1日目に行った大吉山および莵道高校は標高100m強と述べたが、西宮北高校の標高はその倍近い200m弱。

命からがら北高に到着すると、聖地も去ることながら見晴らしが非常に良いことに感動した。

まあでも俺がこの学校に通うことになったら入学式の直後には退学届を叩き付けるだろう。

一度下山して甲陽園駅周辺を巡礼したのち、バスで甲山森林公園へ。

ここでも巡礼のついでに見晴らしの良い展望台を楽しむことができた。

バスで下山し、西宮北口駅に向かいながら点在する聖地を巡礼。

そして、西宮北口駅に着く前にちょっと寄り道して「スポーツドームかわらぎ」に入店。

何を隠そう、ここは『エンドレスエイト』でハルヒがホームランを打ったバッティングセンターである。

俺もハルヒにあやかってホームランを打つべく、意気揚々と3ゲーム分のコインを購入。

第1打席、ほとんどボールが前に飛ばず絶望。

しかも後半は明らかに落ちる変化球が何球か混じっていた。

第2打席、動画を撮ってみると普段よりもバットが立っていて体が開いているのが一目瞭然。

ここ数週間旅行の準備が忙しくてバッティングセンターに通えていなかったので当然といえば当然か。

第3打席ではしっかり修正し、何本か良い当たりは出たものの、ホームランを打つことはできなかった。

しかも隣の打席の人に目の前でホームランを打たれるという。

気を取り直して西宮北口駅へ向かい、かの有名な「珈琲屋 ドリーム」を巡礼。

時間の関係で入店はできなかったので、それは次回のお楽しみ。

ここからまた電車に乗って尼崎駅へ。

響け!ユーフォニアム』で関西大会の会場となったあましんアルカイックホールや、『朝比奈ミクルの冒険 Episode00』の聖地である尼崎商店街を巡礼。

商店街で目に留まった「尼崎肉劇場」で晩飯を食べたら、くいだおれの街・道頓堀へ。

たこ焼き、キャベツ焼き、豚まんなどの大阪名物を食べ尽くしたが、さすがに"陽"の空気にあてられてしまった。

そこで、"陰"を求めて日本橋に行ってみると、営業時間こそ過ぎているものの、そこには秋葉原のようなオタク空間が広がっていた。

やはりこの場所もオタクにとってはある種の聖地なのだなと感傷に浸りつつ、23時頃に帰宿。

 

4日目、日の出とともに巡礼を開始すべく5時半に起床・出発。

まあ3日目まで頑張った甲斐もあって、巡礼はあらかた終わっていたのだが。

『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』で関西大会の会場となったロームシアター京都からスタート。

続いて『けいおん!』で通学路の聖地となっている白川通を下校方向に進み、二日目に巡礼した修学院駅に到着したところで四条にワープ。

「麺匠 たか松 本店」のつけ麺、「福寿園 京都本店」のほうじ茶プリンパフェ、錦市場のぬれおかき、湯葉コロッケと、京都グルメを満喫。

そして、今回の旅行の大きな目的の一つである、京都アニメーションの「お別れ そして志を繋ぐ式」へ。

というか、今回の旅行そのものにも、やっぱりそういう思いは込められていたんだけど。

そして、今回の旅行の最終地点となる嵐山へ。

まずは『けいおん!』に登場した嵐山モンキーパークいわたやまを目指し、最後の力を振り絞って標高150m強の登山に挑む。

ひとしきり猿と戯れたら、最後に嵐山・桂川渡月橋の3点セットを写真に収めて全聖地巡礼が終了。

そして、湯葉ソフト、ゆばチーズ、京ばあむコルネ、豆腐ソフト、さわやかレモン胡瓜、生麩チーズカツ、生麩田楽と、これでもかというくらい食べ歩きを満喫。

最後に「京都 嵐山温泉 湯浴み処 風風の湯」で4日間の疲れを癒し、京都駅へ帰還。

「BAKE CHEESE TART コトチカ京都店」で抹茶チーズタルトを食べて、Portaの京みやげコーナーで抹茶のお菓子や千枚漬けを買って、ブラブラしてたら帰りの夜行バスの時間。

『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』のラストでバスが出発するシーンと重ねながら、京都に別れを告げた。

 

というわけで、京都旅行を満喫してきた。

お気付きの通り、毎日のように登山をしていたので足が死んでしまった。

大吉山、莵道高校、稲荷山、西宮北高校、嵐山、合わせて800m以上は自分の足で登ったはず。

何はともあれ、今までの人生で最高の一人旅だったことは言うまでもない。

次は聖地巡礼軽め観光重めの2泊3日くらいで来年あたりまた京都に行ってみようかな。

聖地巡礼の記事もぼちぼち書いていくので、楽しみにしていてください。