好きなアニメ神回5選

 ・Angel Beats! 第10話「Goodbye Days」

 

ちょうど2010年頃からアニメを見始めたので、この回が人生で初めて出会った「神回」ということもあり、「神回」と言われると真っ先に思い浮かびます。

有名な回なので特に説明することもありませんが、とにかく後半が泣けます。

いつも明るいユイがずっと抱えていた生前の心残り、それを受け止める日向の漢気、夢見る来世での出会い。

その名シーンを飾る挿入歌の『一番の宝物』がすごく好きで、今でも泣けるアニソンランキングでは堂々のNo.1です。

 

もちろん前半のギャグパートもめちゃくちゃ面白くて、天使ちゃんの天然ボケや男共のバカっぷりなど、この作品を彩る要素がいい仕事をしています。

そして何と言っても、かわいくて元気で真っ直ぐでハチャメチャなユイの魅力が溢れています。

 

まさに笑いあり涙あり、「神回」という言葉にふさわしいと思います。

 

 

響け!ユーフォニアム2 第十回「ほうかごオブリガート

 

この回の見どころは後半で久美子があすかに部活に戻ってくるよう説得するシーンですが、前半にある姉・麻美子との会話がその手助けになるという構成が実に美しいです。

 

麻美子はこれまで、自分の気持ちややりたいことを我慢して、親の期待通りの人生を歩んできました。それが頑張ること、大人になることだと勘違いしていたからです。

でも、大人ぶって我慢しても後悔するだけ、と自らの失敗を久美子に語り、これからは家を出て自分のやりたいことをやるという決意を告げます。

奇しくも、麻美子が歩んできた道は今まさにあすかが歩もうとしている道と重なり、麻美子の後悔と決意を聞いた久美子はあすかの説得を試みます。

 

しかし、簡単に説得されるようなあすかではありません。あすかの言葉や行動は客観的に見れば常に正しく、久美子はあっという間に説得の言葉を失ってしまいます。

ここで久美子にもう一度エンジンをかけたのは、麻美子の「後悔のないようにしなさいよ」という言葉でした。

 

ここからの久美子は一転、理屈も正しさもかなぐり捨てて、子供のわがままのようにとにかく自分の気持ちを愚直に伝えます。

子供のわがままだっていい。大人ぶって我慢しても後悔するだけだと麻美子が言っていたから。久美子はそれをあすかにも伝えます。

その言葉はあすかの心を動かし、あすかは努力の末に部活への復帰を果たします。

 

神回だらけの本シリーズですが、前述した話数内での構成の素晴らしさを評価し、この回を選びました。

 

 

ハイキュー!!セカンドシーズン 第8話「幻覚ヒーロー」

 

何と言ってもこの回のメインは中盤のツッキーと山口です。

烏野高校のチームメイトたちが進化を続ける中、一人「たかが部活」にそこまで必死になることに意味を見出せないでいたツッキー。

そこで、いつもクールで格好いいツッキーに小学生の頃から憧れてきた山口は、ツッキーに「カッコ悪い」と言い放ちます。

 

実はこの回の序盤には2つの回想シーンがあり、そこでは「カッコ悪いことは絶対やらない」と日向から評されるツッキーの人物像が強調されていました。

山口の回想では、ツッキーがイジメっ子と山口に対して「カッコ悪」と言う二人の出会いが描かれます。

ツッキーの回想では、ツッキーに「たかが部活」という意識を強烈に植え付けた出来事が描かれますが、ツッキーが兄に対して「カッコ悪い」と思うところで回想が終わります。

 

そしてその後も山口の熱弁に心を揺さぶられたツッキーは、山口に「お前、カッコ良いよ」と言います。

 

驚くべきはここからです。

普通の少年漫画だったら、ここでツッキーが心を入れ替えてバレーを頑張る、という展開になりそうなところですが、ツッキーは違います。

山口の言葉を受け入れたうえで、「でも、納得はできない」と言い残し、別のバレー馬鹿たちに「どうして必死にやるんですか?」と質問しに行きます。

この行動が本当にツッキーらしくてすごく好きです。

どんなに心を揺さぶられても、必ずどこかで冷静かつ理性的に物事を考えている。これが、ツッキーが「烏野の理性」たる所以。

だから、山口の思いはわかるしカッコ良いと思うけど、精神論や根性論だけで自分の行動を変えることはできない。

みんなが何故そこまで必死にやるのか、何故そんなに頑張れるのか、きちんと理由を分析して納得して、初めて自分の行動を変えるという決断を下すわけです。

 

そして、ここからツッキーは変わり、ベストエピソード投票で第1位に輝いた『ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校』第4話「月の輪」というまた別の神回に繋がっていきます。

 

 

けものフレンズ 第12話「ゆうえんち」

 

まず、このアニメのテーマの一つは「みんな違って、みんないい」みたいなものだと考えています。

かの有名な「フレンズによって得意なこと違うから!」というセリフがその象徴です。

 

この回の話をすると、セルリアンを倒すためにこれまでに出会ってきた仲間たちが集うシーンがあって、この展開はもう問答無用で胸が熱くなります。

ここで、それぞれのキャラクターが自分の個性や長所を生かしてセルリアンに攻撃するところがすごく好きです。フレンズによって得意なこと違うから。

 

ただ、この作品がすごいのは「みんな違って、みんないい」で思考停止しないところです。

物語の序盤、身体能力はダメダメでも優れた知能を持つかばんと、身体能力は優れているけどおつむが弱いサーバルという対比がよく描かれている通り、二人はお互いの長所と短所を補い合う関係にあります。

しかし、この回にはかばんがサーバルを、サーバルがかばんを、それぞれセルリアンから救うシーンがありますが(前者は厳密には11話)、そのときに二人がとった行動は元々二人が苦手としていたことです。

つまり、二人は旅の間ずっとお互いの良い所を見て、真似して、吸収して、努力して、自分のものにしたということがわかります。

そんなことに思いを馳せながら紙飛行機のシーンを見ると、思わず感極まってしまいます。

 

その後のボスのシーンも泣けるシーンかと思いきやここで一転ギャグに切り替わり、最後はゆうえんちで大団円というところも、何とも『けものフレンズ』らしくて素晴らしい最終回だったと思います。

 

 

・群れなせ!シートン学園 第2話「なぜ雌達は○○○を口にするか -ユカリとミユビとクルミの話-」

 

恥ずかしながら放送開始当初はこのアニメを見る予定はなかったのですが、ある日友人を家に招いてテレビを見ていたらちょうどこの回が放送されていて、友人の提案でそのまま見てみました。

すると、あまりの面白さに衝撃を受け、そのままそのクールの(個人的)覇権アニメとなりました。

そういう特別な経緯もあって、この回を「神回」と認定しています。

 

Aパートはコアラのユカリの話で、とにかくキレのあるギャグがテンポ良く繰り出されるところに引き付けられます。

コアラの生態がきちんと反映されたオチも見事に決まっていて、ギャグアニメとして非常に完成度が高いです。

Bパートはネコのクルミナマケモノのミユビが初登場する話で、こちらはキャラのかわいさが際立ちます。

この作品は出てくるキャラがみんなすごくかわいいところも魅力で、個人的にはランカとミユビが好きなのでこのBパートもお気に入りです。

ちなみに、ケモナーじゃなくても全然大丈夫です。

 

とにかくギャグアニメが好きな人はまずこの回だけでも見てみてください。

そしてハマったら全話見てください。よろしくお願いします。