つうかあ

俺の好きなアニメ制作会社SILVER LINK.の10周年記念作品かつ、俺の好きな「女の子たちが一生懸命何かをやるアニメ」ということで、かなり期待していたアニメ『つうかあ』。

しかし、第1話を見る限りその期待は大きく裏切られた。

それでは、このアニメのどこに問題があるのか説明したいと思う。

 

まず1つ目の問題点は、回想シーンと現在のシーンが何の前触れも合図もなく切り替わる点。

切り替わってしばらくしてからようやく「あ、いつの間にか回想終わってたのね」と気付かされる不親切さ。

しかも、これが一度や二度のことではなく何回もやられるので、ゴチャゴチャしてわかりづらいし、何よりテンポが悪い。

これが2つ目の問題点にも繋がる。

 

2つ目の問題点は、第1話の情報量が少なすぎる点。

通常、「何か」をやるアニメの第1話というものは、主人公と「何か」との出会い、もしくは「何か」をやる登場人物同士の出会いを描くことが多く、特に「何か」が比較的マイナーな題材の場合は前者のパターンがほとんどである。

というのも、主人公と「何か」との出会いを描くことによって、同時に視聴者も「何か」と出会うことができ、視聴者が「何か」に興味を抱くことによって主人公に感情移入することができるからである。

つまり、視聴者が主人公と同じように「何か」に惹かれ、「面白そうだな」「こんな世界があったのか」「こういう所がいいね」と、「何か」の魅力を知りながらどんどんのめり込んでいくことが重要なのである。

しかし、このアニメの第1話は、そもそも題材となっているレーシングニーラーに関する説明がほとんどない。

これではレーシングニーラーの魅力を感じるどころか、興味を抱くことすら難しい。

その上、登場人物たちはナチュラルに謎の専門用語を用いて会話をしているので視聴者は全くついていけない。

もしかしたら、「細かい説明は2話以降にするとして、1話はとにかくレースのインパクトを重視しよう」と思っているのかもしれないが、愚策と言わざるを得ない。

結局第1話はほとんどがレースのシーンで占められており、視聴者が得られた情報は登場人物の名前とレーシングニーラーが題材であるということ、つまり公式サイトを見れば誰でもわかることだけだった。

3つ目の問題点で触れることを除いては…

 

3つ目の問題点は、明らかな百合詐欺を行った点。

まずこのアニメのタイトルについて考えてみる。

つうかあ』というのはこのアニメの題材であるレーシングニーラー、すなわち「two car」と、お互いの考えていることがすぐに読み取れるほど深い関係であることを表す慣用句「ツーカーの仲」をかけていると考えられる。

そして、このアニメのキャッチコピーは「二人じゃないと走れない!」である。

さらに、このアニメのOPテーマ曲のタイトルは『Heart to Heart』ときた。

当然、レーサーは全員女の子。

ここまで来れば、このアニメは「二人の息をぴったり合わせることが重要とされるレーシングニーラーという競技に青春を懸ける女の子たちの熱い百合アニメ」と言っているようなものである。

これは大して百合が好きじゃない人でも容易に理解できる理屈であろう。

しかし、何とこのアニメ、公式サイトのキャラクター紹介にもいない「男」が突然登場する。

その男というのは主人公である二人の女の子たちが所属する三宅女子高校側車部のコーチ。

ここまではまあいい。

問題は、主人公の二人がそのコーチに「惚れている」ということ。

こんなに清々しい裏切りは久々に見た。

挙げ句の果てに二人がそのコーチを取り合うシーンまで入れてきて、もうこのアニメは一体何がしたいんだという疑問で脳内が満たされた。

表紙にかわいい女の子二人が仲睦まじげに映ってる漫画を開いてみたら思いっきり男とイチャついてた時のあの絶望感を完璧に再現してくれるアニメが現れるとは…

 

というわけで、今期イチオシのアニメ『つうかあ』、皆さんも是非見てみてください。